(質問)
ISO14001 環境目標計画の初年度がまだ来ていないのにISO1401の審査機関の審査を受けられますか?

(回答)

はい、環境目標計画の初年度がまだ来ていないのにISO1401の審査機関の審査を受けることができます。ISO14001の認証審査では、環境マネジメントシステム(EMS)の適合性と有効性が審査されます。環境目標計画は、EMSの重要な要素の1つですが、審査の対象はEMS全体です。
環境目標計画の初年度が来ていない場合でも、EMSの他の要素が適切に実施されていれば、審査に合格することは可能です。具体的には、以下の項目が審査されます。
• 環境方針
• 環境目標とその達成のための計画
• 環境リスクと機会の特定と評価
• 環境マネジメント手順の策定と実施
• 環境マネジメントシステムの監査と改善
これらの項目が適切に実施されていれば、環境目標計画の初年度が来ていないことを理由に審査に不合格になることはありません。
ただし、環境目標計画の初年度が来ていない場合は、審査員から以下の質問や指摘を受ける可能性があります。
• 環境目標の達成状況はどのように評価するのか?
• 環境目標の達成に向けて、どのような改善策を検討しているか?
これらの質問や指摘に対して、適切に回答または改善策を示すことで、審査員の信頼を得ることができます。
なお、環境目標計画の初年度が来ていない場合は、審査後に環境目標の達成状況を評価し、改善策を検討することをおすすめします。

(質問)
ISO14001の環境目標の設定においては、注意する点は、何ですか?

(回答)

ISO14001の環境目標の設定においては、以下の点に注意する必要があります。

環境方針と整合性がある
環境目標は、環境方針の達成につながるものである必要があります。環境方針は、組織の環境に関する目的や方向性を示すものです。環境目標は、環境方針の内容を具体的な数値や目標値として表現したものと捉えることができます。

著しい環境側面と順守義務を考慮する
環境目標は、組織の著しい環境側面と順守義務を考慮して設定する必要があります。著しい環境側面とは、組織の活動や製品・サービスによって、環境に重大な影響を及ぼす可能性が高い側面です。順守義務とは、組織が法令や規制などの要求事項を遵守しなければならない義務です。

測定可能である
環境目標は、測定可能である必要があります。測定可能であるということは、目標の達成度を数値やデータで判断できることを意味します。測定可能な目標を設定することで、目標の達成状況を客観的に評価することができます。

達成可能である
環境目標は、達成可能である必要があります。達成不可能である目標を設定しても、組織の環境パフォーマンスの改善につながりません。達成可能な目標を設定することで、目標達成に向けて組織の努力を集中させることができます。

タイムリーである
環境目標は、タイムリーである必要があります。目標の達成期限を設定することで、目標達成に向けた具体的な行動計画を策定することができます。

コミュニケーションされる
環境目標は、組織の内部だけでなく、外部にもコミュニケーションされる必要があります。環境目標を外部に公開することで、組織の環境に対する取り組みをアピールすることができます。

これらの点を踏まえて、組織の状況や環境側面に応じた適切な環境目標を設定することが重要です。

具体的な環境目標の設定方法としては、以下のステップを参考にするとよいでしょう。

環境側面の特定
まずは、組織の活動や製品・サービスによって生じる環境側面を特定します。環境側面の特定には、環境影響評価や環境マネジメントシステムのレビューなどを行うとよいでしょう。

重要な環境側面の識別
特定した環境側面のうち、重要度の高いものを識別します。環境側面の重要度を評価する際には、影響の大きさ、影響の頻度、影響の回避可能性などを考慮するとよいでしょう。

環境目標の設定
重要な環境側面ごとに、測定可能で達成可能な目標を設定します。目標の設定に当たっては、環境方針や順守義務、利害関係者の要求など、さまざまな要素を考慮する必要があります。

目標の達成に向けた計画の策定
環境目標を達成するために必要な計画を策定します。計画には、目標の達成期限、目標達成に向けた具体的な取り組み、目標達成の評価方法などを盛り込むとよいでしょう。

目標の達成状況の評価
計画に基づいて取り組みを進め、目標の達成状況を評価します。評価結果をもとに、目標の見直しや計画の修正を行うなど、必要に応じて対応を行います。

環境目標の設定は、ISO14001の環境マネジメントシステムを効果的に運用していく上で重要な要素です。適切な環境目標を設定することで、組織の環境パフォーマンスの改善につながります。

(質問)

iso14001 リスク及び機会とは何ですか?

(回答)
ISO14001では、リスクと機会を「組織の環境パフォーマンスに影響を及ぼす可能性のある事象」と定義しています。リスクとは、望ましくない影響を及ぼす可能性のある事象であり、機会とは、望ましい影響を及ぼす可能性のある事象です。

ISO14001では、組織は、リスクと機会を特定し、それらへの対応を計画し、実施し、維持し、改善しなければなりません。

リスクと機会の特定には、以下の方法が考えられます。

環境側面の特定
環境側面とは、組織の活動や製品・サービスによって生じる環境影響です。環境側面の特定を行うことで、リスクと機会の特定の対象を絞り込むことができます。

リスクアセスメント
リスクアセスメントとは、リスクの可能性と影響の大きさを評価するプロセスです。リスクアセスメントを行うことで、リスクの優先順位付けを行うことができます。

機会の特定
機会の特定は、リスクアセスメントと同様の方法で行うことができます。ただし、機会の評価では、影響の大きさだけでなく、影響の可能性も考慮する必要があります。

リスクと機会への対応は、以下の方法が考えられます。

リスクの低減
リスクの低減とは、リスクの可能性を低下させる、または影響の大きさを小さくする対策を講じることです。リスクの低減には、技術的対策、管理的対策、教育・訓練などが考えられます。

機会の活用
機会の活用とは、機会を実現するための対策を講じることです。機会の活用には、新製品・サービスの開発、新市場の開拓などが考えられます。

リスクと機会への対応は、組織の状況や環境側面に応じて、柔軟に行う必要があります。また、リスクと機会の評価結果は、定期的にレビューし、必要に応じて対応を見直す必要があります。

ISO14001では、リスクと機会への対応を、環境マネジメントシステムの重要な要素として位置づけています。リスクと機会への適切な対応を行うことで、組織は、環境パフォーマンスの改善を図ることができます。